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 都会から旅にでるとどこか珍しく、愛らしい「赤と緑の列車」に心が弾む。緑の合間を走りぬけるその斬新な色が、周囲との景色の中で一層際立ち美しい景観を成している。海岸線沿いを窓越しに眺めながら列車に揺られていると、突然緑の中に現れるお城に、まるで海外への旅に来たような高揚感を感じてしまう。ハウステンボスが近づいてきたことを悟った観光客たちが車窓からその景観をながめ、喜びの表情を滲ませる。線路沿いに植えられた愛らしいオレンジ色のマリーゴールドが小さな秋の季節を物語る。今回は、秋の景観が美しいハウステンボスをご紹介していきたい。
 
 駅を降りると、今乗ってきた列車が海岸線沿いに山の中をコトコトと走っていく様子がハウステンボスへ渡る橋から眺めることができる。その様子を眺めていると、異国の地に招待してくれる特別な列車に乗ってきた気分になる。駅を降りるとすぐにヨーロッパ調の「ハウステンボスJR全日空ホテル」が目に飛び込んできて、ウキウキしたその気分をさらに加速させ、感動的な迫力で観光客たちを迎えてくれる。このホテルはアムステルダム中央駅を再現した外観になっており、リゾートホテルとしてだけではなく、ハウステンボスの表玄関としてもその役割を果たしている。
 
 入国ゲートをくぐってすぐ近くの「テディベアキングダム」には、世界的にも貴重なテディベアのコレクションを1500体以上も所蔵している。座高3.6メートル、体重500kgという世界一大きいジャイアントベアが出迎えてくれ、ちょっとした写真撮影のスポットとなっているようである。テディベアのその優しい表情に、老若男女問わず微笑ましい気持ちにさせてくれるちょっと不思議な空間は、子供のころの純粋な気持ちを取り戻してくれるから不思議である。

 そこから少し歩いていくと「キンデルダイク」とよばれる花畑と風車が美しいオランダの田園風景が一面に広がっている。花畑を眺めていると、日差しを避けるように帽子を被り、エプロンをして丁寧に手入れをしている人がいる事に気付く。それはまるでオランダの田舎町に一瞬にしてトリップしたような気分にさせてくれる光景で、花を愛でる優しさが滲む光景である。一方、のどかな田園風景の中を他のものに影響されるでもなく主体的にゆっくりと空に向かって回る風車は、まるでゆっくりとした時の流れを象徴しているようで、見るものにも心に余裕と安らぎを与えてくれる。ゆったりと回っている風車であるが、内部は精巧なつくりになっていてオランダで実際に使用されている三連風車という実際に存在する風車をモデルに再現したものになっている。
 

 ハウステンボスには他のテーマパークとは異なる上質かつ季節ごとに違った様子をみることができる贅沢な空間が広がっている。与えられたものを楽しむだけではなく、そのもっと先にある[見て][感じて][考える]主体的な感性が自然と芽生える世界でもある。100万本の花が咲き乱れる場内最大の花広場「アートガーデン」では、これからの秋の季節にはコスモスやダリアが見頃を迎え、色鮮やかな花のじゅうたんが一面に広がり、一年でもっとも華麗で芸術的な庭へと変貌する。目でエンドレスに続く花畑を愉しみ、耳で秋の風の音を感じ、花の香りを感じ、自然に触れ合い五感が研ぎ澄まされる空間、ハウステンボス。そこには小さな秋が芽吹いていた。

 
 
 
 

掲載期間:2008年3月末出発まで
 



 

 
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