船頭さんは竹竿1本で舟を操りながら、色々な楽しい話をきかせてくれる。昔はこの川で魚をとったり洗濯をしたり遊んだりもできたため、水面まで降りる階段が今でも残っている。しかし戦後あたりからは周囲の近代化も伴い、住宅が増え汚染されていったそうである。それでもこうして歴史や文化などを冗談も交えながら語ってくれる船頭さんはとても親しみやすく、観光客をもてなしてくれる貴重な存在である。また川下りの間は周囲の住民の協力もあって洗濯物を干さないようにしているのだとか・・・この風情あふれる街並みをこよなく愛する地元に人々によって守られていることがわかる。 ここ柳川は、北原白秋のゆかりの地としても知られており、かつて白秋は「柳河は廃市(はいし)である」と歌っている。掘割が縦横に通じ白壁や蔵が残る柳川は、時が止まったような風情や情景が残る町ということを意味する。昔にタイムスリップしたような景色を眺めていると、忘れかけていた古き良き日本の生活の様子を思い出し、懐かしい気持ちになる。また、川下りのあとは柳川名物の「うなぎのせいろ蒸し」を堪能するのもお勧めである。柳川の美しさはもちろん、船頭さんや地元の人々のあたたかい表情は、今日もまた来訪者たちをやさしく迎えてくれることであろう。 ※久留米からは約35分。